寝る前のストレッチで心も体もリセット。1日の疲れを癒やすナイトルーティン
2025年10月21日 投稿者: kuroro オフ

寝る前のストレッチで心も体もリセット。1日の疲れを癒やすナイトルーティン

夜、家事や仕事を終えてようやくひと息つくころ。肩や首のこりを感じながらベッドに倒れ込むようにして、気づけばスマホを握ったまま眠ってしまう。そんな毎日を過ごしていませんか?
一日の終わりに体を少しだけ動かしてあげると、思っている以上に心も体も軽くなります。寝る前のストレッチは、固まった筋肉をゆるめて血流を整えるだけでなく、心の緊張をほどき、深く穏やかな眠りへと導いてくれる習慣です。
 
強く伸ばす必要はありません。呼吸を感じながら、心地よさを探すように体をゆっくり動かすだけで十分です。ストレッチの心地よさに身を委ねるうちに、体温が少し上がり、そのあとゆるやかに下がっていく——それが、自然な眠りへとつながるサイン。
 
今日の疲れを次の日へ持ち越さないために、眠る前の数分を「整える時間」に変えてみませんか? 自分を大切に扱うその時間が、心まで柔らかくしてくれます。
 

タイミング 目安 目的
お風呂のあと 就寝の60〜90分前 血流促進とリラックス
ストレッチ時間 10〜15分 無理なく続けやすい長さ
強度 気持ちいい程度 反動を使わずゆっくりと

 
 

 
 
 
 

寝る前ストレッチの基本と準備

 

落ち着ける空間をつくる

ストレッチを始める前に、まずは心が落ち着く空間を整えましょう。
部屋の明かりを少し落として、暖色系のやわらかい光に変えるだけでも、自然と体がリラックスします。温かいお茶をひと口飲んだり、好きな香りのアロマを焚いたりするのもおすすめです。
室温は少し涼しめに。体が温まりすぎると寝つきが悪くなるので、軽く羽織れるブランケットを近くに置いておくと安心です。床が硬い場合は、ヨガマットや大きめのバスタオルを敷いて、体を守りましょう。
そして、スマホはできれば手の届かない場所へ。青白い光は脳を覚醒させ、せっかくのリラックスタイムを台無しにしてしまいます。少しの間だけでもデジタルから離れ、静かな時間に身をゆだねてみてください。
 
 
 
 

呼吸を整える

寝る前のストレッチでもっとも大切なのは「呼吸を感じること」です。
鼻からゆっくり息を吸って、口から細く長く吐き出します。息を吐くたびに肩や首の力が抜けていくのを感じながら、全身をゆるめていきましょう。
呼吸を意識するだけで、体の奥にあったこわばりが少しずつ解けていきます。ポイントは、無理に深く吸おうとしないこと。自然なリズムの中で、自分の呼吸を丁寧に味わうように動かしていくことが大切です。
 
 
 
 

安全に行うためのポイント

ストレッチは、「痛い」ではなく「気持ちいい」と感じるところで止めるのが基本です。
反動をつけずにゆっくりと動き、筋肉が伸びる感覚を確かめながら呼吸を続けましょう。首や肩は特にデリケートな部位なので、動かすときは焦らず丁寧に。
もし痛みや違和感を感じたら、すぐに中止してください。ストレッチは競争ではなく、自分をいたわる時間です。短い時間でも、心地よさを優先することが効果を高めるポイントです。
 
 
 
 

ストレッチの流れ

寝る前におすすめなのは、「全身 → 肩 → 首 → 背中 → リラックス」の流れです。
まずは体全体を軽く動かして血流を促し、そのあとこりやすい部分を重点的にほぐしていきましょう。最後に深い呼吸で心を静めれば、自然と眠りにつく準備が整います。
 

短時間で行いたい日の流れ
ウォームアップ: 肩を回しながら深呼吸
首・肩ストレッチ: ゆっくり頭を傾けて呼吸を3回
仕上げ: 仰向けになって全身脱力

 
 
 

 
 
 

肩・首のこりをほぐすストレッチ

 

深呼吸しながら肩をゆるめる

仕事や家事で長時間同じ姿勢を続けていると、肩や首の筋肉は常に緊張しています。寝る前には、まず肩の位置を元に戻す意識で動かしましょう。
両手を軽く肩に添え、ひじで円を描くように前から後ろへと回します。吸うときに肩を持ち上げ、吐くときにゆっくり下げる。これを5回ほど繰り返すと、肩甲骨の動きがスムーズになり、背中全体が温かくなってきます。
その後、両肩を耳に近づけて3秒キープし、息を吐きながらストンと力を抜いて落とします。この「上げて、落とす」動きは、筋肉の緊張を一気にゆるめてくれる簡単なリセット法です。
 
 
 
 

首筋のストレッチで巡りを整える

次に、首まわりをやさしく伸ばしていきます。
背筋を伸ばし、右手で頭をそっと右側へ倒します。左の首筋が伸びるところで止め、3回ほどゆっくり呼吸します。このとき、肩が浮かないよう意識してください。反対側も同じように行いましょう。
慣れてきたら、首を少しだけ斜め前に倒すと、後ろのこりにもアプローチできます。力を抜き、重力に身を任せる感覚で行うのがポイントです。
このストレッチを寝る前に取り入れることで、血流が改善され、首や肩の重だるさが軽くなります。日中の頭痛や目の疲れの予防にもつながります。
 
 
 
 

肩甲骨の動きを意識する

肩甲骨を動かすことで、肩まわりだけでなく背中全体がほぐれます。
両手を背中の後ろで組み、胸を開くようにして腕を少し後ろへ引きましょう。あごを軽く引き、肩甲骨を寄せた状態で3回呼吸を続けます。
このとき胸を張るのではなく、背中の中心に意識を集めるのがコツです。背中が広がる感覚を感じながら、呼吸をゆっくり繰り返してください。

 
 
 
 
 
 
 
 

背中・腰をゆるめるストレッチ

 

猫の伸びポーズで背中をほぐす

四つん這いの姿勢になり、両手を肩の真下、膝を腰の下に置きます。息を吐きながら背中を丸め、へそをのぞき込むように。次に息を吸いながら背中を反らせ、胸を開きます。
この「丸めて・反らせる」動きを5回ほどゆっくり繰り返します。背骨ひとつひとつが動く感覚を味わうことで、姿勢のゆがみも整いやすくなります。
腰に負担をかけずに背中全体をほぐせるため、デスクワークで凝り固まった体にも効果的です。
 
 
 
 

寝ながらできる腰のストレッチ

仰向けになって両膝を抱え、軽く胸のほうへ引き寄せます。深く息を吸い、吐きながら膝を少しずつ近づけていくと、腰から背中にかけての張りがやわらぎます。
次に、両膝をそろえたまま右側に倒し、顔を左に向けます。腰のねじりを感じながら3回ゆっくり呼吸。反対側も同様に行いましょう。
このポーズは副交感神経を優位にして心を落ち着かせる働きもあります。寝る直前に行うと、体の緊張がほどけて眠りにつきやすくなります。
 
 
 
 

股関節をゆるめて全身の血流を整える

座った状態で両足の裏を合わせ、かかとを体のほうへ引き寄せます。背筋を伸ばしたまま、息を吐きながら上体をゆっくり前に倒します。
内ももがじんわり伸びていく感覚を感じながら、3回呼吸。無理に深く倒れようとせず、心地いいところでキープします。
股関節まわりをほぐすことで、下半身の冷えやむくみの改善にも効果的です。足が軽くなる感覚を味わいながら、ゆっくり体を起こしていきましょう。

 
 
 

 
 
 

リラックスを深める仕上げストレッチ

 

全身を包み込むようにゆるめる

肩や腰をほぐしたあとは、体全体をやさしくリセットしていきましょう。仰向けになり、両手両足を大きく広げて全身の力を抜きます。
息をゆっくり吸い込みながら、手足を軽く伸ばし、吐く息でふわっと脱力。体がベッドやマットに沈み込むような感覚を味わってください。
この「力を抜く」瞬間こそ、ストレッチの中で最も大切です。日中ずっと頑張っていた筋肉や神経が緩み、心も一緒にほどけていきます。
 
数回呼吸を続けたあと、両腕で自分の体を抱きしめてみましょう。
「今日も一日、おつかれさま」と心の中でつぶやくように。体を包み込む温かさを感じながら、自分を大切にする気持ちを思い出して。
この小さなセルフハグが、心のこわばりを和らげ、安心感を与えてくれるはずです。
 
 
 
 

脚を上げて血流を整える

脚の疲れを感じる人には、壁を使ったストレッチもおすすめです。
仰向けになって、両脚を壁に沿わせて上げます。腰の位置を少し壁から離し、両手は体の横に置いてリラックス。
この状態で深呼吸を5回。ふくらはぎや太ももにたまった血液が心臓へ戻っていくことで、脚のむくみや冷えをやわらげることができます。
心拍数もゆっくりと落ち着き、体が「眠る準備」に入っていくのを感じられるでしょう。
 
 
 
 

最後は呼吸で心を静める

目を閉じ、鼻からゆっくり息を吸い、口から長く吐きます。
吐く息に意識を向けると、体の余分な力や心のざわつきが自然と外へ流れていきます。
呼吸のリズムが整うにつれ、頭の中が静かになり、まぶたの重さを心地よく感じ始めるはずです。
このまま眠ってしまっても構いません。寝落ちするほどリラックスできている証拠です。

 
 
 

 
 
 

まとめ

ストレッチは、体を柔らかくするためのものと思われがちですが、実は「自分の心と体を丁寧に感じる時間」でもあります。
肩や首のこり、全身の疲れを取るだけでなく、呼吸とともに心を落ち着かせ、眠る準備を整える。
それが「ナイトストレッチ」の一番の魅力です。
 
夜、照明を少し落として、静かな音楽を流しながら数分間ストレッチをしてみてください。
一日の疲れがふっと軽くなり、心がやさしく満たされていくのを感じるでしょう。
そして翌朝、体が軽く、気分が明るくなる。そんな変化が続けば、ストレッチは単なる習慣ではなく、自分を整えるための癒しの時間へと変わります。
 
大切なのは、完璧を目指さないこと。
「できる日だけ」「短時間だけ」でもかまいません。自分のペースで続けることが、最も大きな効果を生む秘訣です。
今日も、明日も、眠る前の5分をやさしいストレッチで締めくくってみましょう。
きっとその積み重ねが、あなたの毎日を少しずつ穏やかに変えていくはずです。